(参考写真)労働現場に連れて行かれる「労働鍛錬隊」の収容者。2008年9月黄海南道東ヘジュにてシム・ウィチョン撮影(アジアプレス)

◆見せしめの「群衆審判」とは

北朝鮮各地で、広場などで公開的に行う「群衆審判」(公開裁判)が頻繁に行われていることが分かった。非社会主義、反社会主義行為で逮捕された人々が対象とされており、社会統制の引き締めのために、住民に恐怖心を植え付けるのが目的だと思われる。(カン・ジウォン)

7月17日、北朝鮮国内の取材協力者は、保安員(警察官)から直接入手した情報だとして、
「『群衆審判』が全国的に行われている。6月29日には咸鏡北道の羅先(ラソン)市で、男性2人、女性2人に対する『群衆審判』行われた。私が住んでいるA市でも近々行われるだろうとのことだった」
と伝えてきた。

北朝鮮の「群衆審判」とは何か?

法律に基づいて裁判所で開かれる公判ではなく、当局が「政治的目的」によって公の場で容疑者を裁き、時には処刑までする形態である。目的は、見せしめによって多くの住民に恐怖を与えることだ。全国の市、郡、里で、一般住民を集めて行われるのが特徴である。北朝鮮では珍しいことではなく、「公開裁判」と呼ぶれることもある。

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