(参考写真)平壌市中心部のアパート街で中国製のソーセージを売る女性。2011年7月モラン区域にて撮影ク・グァンホ(アジアプレス)

◆あらゆる価格を中国元で計算する

問 値段は、中国元払いと朝鮮の金払いで差があるのか?
A 当然ある。例えば、今、100元=135000ウォンが交換レートだが(8月6日時点)、100元の靴を朝鮮の金で買うという客には、1000~2000ウォン高く売ります。なぜなら、朝鮮の金を中国元に替える場合はレートが少し悪くなるから。

問 朝鮮の金を受け取ったら、すぐに中国元に替えてしまうのか?
A 朝鮮の金で取引をしたら、すぐに替えるか、商売が終わった後にまとめて替える。夕方になると、両替商が市場の中を回って両替しないかと声をかけてくる。

問 中国元の便利な点は何か?
A まず、額が大きくてもかさばらないこと。今では、企業から商品を購入する時もすべて中国元だし、あらゆる価格を中国元で計算する。「貨幣交換」でひどい目に遭った人が多いから、誰もが中国元を持とうとするのだ。

※貨幣交換 北朝鮮政府は2009年11月30日に、まったくの予告なしに通貨ウォンを100分の1切り下げる「貨幣交換」を断行した。交換上限は一人10万ウォンまで、期間は1週間と定められため、交換不能になった旧ウォンは紙くずになり、貯めこんでいた人は大損した。

◆国が貧しいから中国のカネに依存してる

問 中国元が安全だと考えているわけだ?
A 当然だ。中国は朝鮮よりもはるかに大きく、突然の「貨幣交換」のようなことはしないはずだ。朝鮮は経済制裁を受けているから、(貨幣価値が)いつどうなるかわからない。金持ちは米ドルを貯めこんで、使う時は中国元だ。

問 朝鮮人なのに中国の金を使うことをどう思うか? 国に不満はないか?
A 自尊心が傷つく。率直に言って国が貧しいせいで、中国のお金に依存している。我が国は朝鮮語を話すだけで中国も同様だ。中国元を使って中国の商品を買う。中国がなければ、私たちはどうにもならない。(政府は) 言葉では「自力更生する」とか言っているが、結果は何も出ていない。

なお、8月8日になって対中国レートは若干回復し、1中国元=1300ウォンで取引されている。(カン・ジウォン/石丸次郎)
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮国内に搬入して連絡を取り合っている。