◆世論、「公正の看板」、総選挙など考慮して決定か

妻が起訴された影響もあって、チョ・グク氏の法相適格性について、韓国世論は依然として厳しい反応だ。公共放送のKBSが韓国リサーチに委託して7日に実施した世論調査では、チョ・グク氏の法相任命に反対が49%、賛成が37%という結果だった。

文政権は検察改革を公約として掲げている。検察が時の権力の影響下で政治的な判断で捜査してきたとして、検察の権限を警察に分散させるなどの改革を、チョ・グク氏に指揮させるとしていた。

そのチョ・グク氏に、不透明な資産運用や娘の大学不正入学疑惑が持ち上がると、検察は8月27日に関連先20数カ所に強制捜査に入った。衝撃を受けた青瓦台(大統領府)と与党は、「検察改革潰しだ」と強く反発した。

韓国の通信社のニューシスは8日、与党の核心関係者の言葉として、「文大統領はこの時の押収捜索の報告を聞いて烈火のごとく怒ったと聞いた」と伝えている。

一方で、多くの疑惑を抱えたチョ・グク氏の法相任命を強行した場合、文政権が掲げる「正義と公正」が裏切られたという反発が出ることは避けられない。また、妻が被疑者となったチョ・グク氏が、はたして司法行政のトップにふさわしいのかという批判も出るだろう。

先のKBSの世論調査では、自身を革新層とした回答者は任命賛成が66%、反対が26%と出ている。任命を強行して批判が高まっても政権の「岩盤支持層」は離れず、来年4月の総選挙は勝てるという判断もあり得る。

検察改革の遂行の公約、政治道徳性、総選挙への影響などを総合的に考慮して、文大統領はチョ・グク氏を法相に任命するか決定する。(石丸次郎)