◆選挙中の献金も違法にならない法の抜け道

森雅子大臣は、2013年の参議院選挙(公示日7月4日、投開票日7月21日)に立候補し当選している。この選挙中に、4社から合計250万円の企業献金を受けている。この4社とも、東日本大震災復興特別会計が財源となった事業を選挙後に請け負っている。また、4社とも選挙期間前後に、福島県が発注している公共工事を受注している。

公職選挙法では、「国と契約関係にある企業」から選挙に関し政治献金をもらってはいけないと定められているため、「県と契約関係にある企業」からの献金は違法な献金とはならない。

こうした「法の抜け穴」に関して、上脇教授は次のように指摘する。
「法律の欠陥だ。契約の当事者が県であっても税金が政治家側に還流している点は同じだ。ザル法のままではいけない。“選挙に関し”という限定を外すと同時に、地方自治体と契約関係にある企業からの政治献金を国会議員側が受領することも禁止するよう法律改正すべきだ」
森雅子法相が復興事業受注企業から献金 その財源は震災特別会計だった 「税金の還流で政治的に問題」と専門家

2013年の参議院選挙で森雅子大臣への献金事例。復興庁の行政レビューシートと福島県の資料より筆者が作成。

※行政レビューシートではその事業が行われた期間と受注業者は判明するが、一つ一つの企業が受注した工事の期間は分からないので、選挙のあった2013年に工事を受注しているかどうかは分からない。

この点についての、政治家として政治的・道義的責任についての考え方、法律で禁止すべきではないかと森雅子大臣の事務所に質問をしたところ、「お尋ねの政党支部が受けた寄付の内容は収支報告書に記載したとおりです。政治資金については、法令に従って適正に処理し報告しています」と回答があった。

◆歪められた復興予算

東日本大震災は地震や津波だけではなく、東京電力福島第一原発事故による放射能の拡散によって避難を余儀なくされた人もいる。未だに避難生活を続けている人は、復興庁の発表だけで4万8千人もいる。

復興事業には、海沿い巨大堤防を代表される大型公共工事が多く含まれており、当初から建設業界のための事業ではないかという声が多かった。福島第一原発事故当初から、放射能の除染事業の効果を疑問視する声も多い中、帰還を進めるため、除染事業を中心とした帰還事業が重視されてきた。放射能汚染に対する健康調査、あるいは健康を守る施策は軽視されてきた。

会計検査院の資料によると、2016年までに除染に3兆円が使われたのに対し、福島県民健康管理基金から支出されたのは約330億円しかない(福島県公表の資料より)。除染が政治家の利権になっており、政策がゆがめられているという指摘が少なからずあったが、今回の調査でその一端が明らかになった。