この事件がきっかけになったのか不明だが、数日後、取り締まり要員の態度が変わったと協力者は言う。中央の保安省(警察庁に相当)から地方政府に「取り締まり要員たちは人民の人権を蹂躙しないようにせよ」という内容の指示があったのだという。当局が『権蹂躙するな』という言葉を使ったのは確かだという。

一方で、物価高騰に不満が強い庶民が、統制価格以上の値段を付ける商人を当局に申告する事態も多いという。

中国税関当局が、4月23日に発表した3月の貿易速報値によると、北朝鮮の対中輸出はわずか61万ドル(約6700万円)で前年同期比96.2%減、輸入は1803万ドルで同90.8%減だった。

貿易の激減が北朝鮮経済を直撃しており、「コロナで死ぬより先に飢えて死ぬ」という声が、北朝鮮内部から数多く届いている。5月末から6月初めに中国との貿易が再開されるという噂が流れているが、先行きは不確かだ。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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