◆取り残しだらけの現状どう改善?

府条例におけるレベル3規制の拡大は、もともとの規模要件がアスベスト含有成形板の使用面積が「1000平方メートル」だったことから、多くの府内事業者に認知されており、指導の継続性が図られるなどを理由としている。飛散事故発生時に影響の大きい大規模工事について優先的に把握していこうとの意図がうかがえる。

また、除去工事の完了報告のあり方も検討したが、「行政への報告は義務化しない」ことになった。

これについては、報告書が提出され、行政側が確認した時点(工事終了後)に違反が見つかっても「是正措置が間に合わない可能性が高い」ため。むしろ新設される事前調査結果報告制度を基にした「工事前や工事中の立ち入り検査に注力すべき」などと理由に挙げる。

そうした方針であれば、立ち入り検査を工事前や工事中だけでなく、除去後の完了検査が適切なのかといったところまで広げることができれば、取り残しも多少は減るのではないか。

もっともこのあたりは立ち入り検査を実施する職員の専門性に依存するため、そうした対応のための講習実施をはじめ専門性の確保も必要だ。大阪府堺市のように専門的な第三者機関の活用も1つの手だが、こうした検討はなかった。

完了検査の講習などもされていないことから容易ではないが、「全国どこでもアスベストの取り残しだらけ」と専門家に指摘される現状をどう改善するのかが問われよう。

除去作業中などに外部にアスベストが漏れていないかを調べる府独自の測定義務については「現行の規制を維持する」方針。国で改めて測定義務のあり方を検討することになっていることから、独自に規制を変更して現場が混乱する状況を避けるためとの理由だ。

部会は10月会合でこれらを含む報告案をとりまとめ、11月に開催する環境審議会で報告する予定。同審議会で問題が生じなければ答申として即日公表される見通し。また条例および同施行規則の改正案も11月ごろにパブリックコメントが実施され、来年2月の府議会に改正案が提出されるとみられる。

府環境管理室事業所指導課によれば、改正大防法の施行規則が公表されていないことから条例の改正手続きに遅れが出ている状況とのこと。条例改正では3~6カ月の周知期間が必要とされることから施行は2021年4月より遅れる可能性があり、「若干空白の期間ができてしまうかもしれない」(同課)という。