自治体の測定結果をまとめた環境省資料

◆自治体調査でも3割漏えいか

同じくアスベストが漏れやすいセキュリティゾーン出入口では244件の測定のうち、57件(23.3%)でやはり検出ありだった。最大値は同27本。平均同1.9本。

いずれも実際にアスベストの同定まで実施しておらず、断定まではできない。しかし、すでに述べたように負圧除じん装置の排気口ではアスベストは高性能フィルターで除去され、清浄な空気しか排出されないはずなのだ。

そこで測定して32.2%(2018年23.7%)で漏えいがあるということは、アスベストが外部に漏れている可能性がきわめて高い。つまり、過去10年間の環境省調査で40%超のアスベストの漏えいが確認されているというとんでもない実態を自治体の調査でも裏付けているといえよう。

さらに2019年の自治体調査で、空気1リットルあたり10本超のアスベストが漏えいした不適正事案は秋田県1カ所と福岡県2カ所の計3カ所。うち秋田県と福岡県の各1カ所では敷地境界で空気1リットルあたり15本のアモサイト、同13本のクロシドライトがそれぞれ検出されている。福岡県のもう1カ所では屋内の作業場付近で同78本のクロシドライトを検出した。

いずれも周辺の労働者や住民らの曝露が懸念されるが、事実関係が公表されたのかどうか明らかにされていない。環境省が2017年4月に公表している「建築物等の解体等工事における石綿飛散防止対策に係るリスクコミュニケーションガイドライン」によれば、事故があった場合は事実を早急に公表するとともに説明会の開催などを求めている。

同省大気環境課は「個別の事象になるので自治体が責任を持って対応すべき」とする一方、「ガイドラインに基づけば基本的には可能な限り早く公表すべき」とも指摘している。