(参考写真)電力難で水道が出ず、水汲みも重要な日課だ。天秤棒を持ち上げた少女。2008年10月、黄海南道で撮影シム・ウィチョン(アジアプレス)

新型コロナウイルス事態で経済麻痺が深刻化している北朝鮮で、厳寒期に入って電力事情が厳しさを増している。結氷によって水力発電の稼働が低下するため、例年3月まで電気供給が極端に悪化する。1月中旬、北部の三都市の電力と水道事情を調べた。(カン・ジウォン)

◆会寧市は一日2時間

咸鏡北道会寧(フェリョン)市。金正日氏の実母である金正淑(キム・ジョンスク)氏の出身地であるため、都市・インフラ整備が優遇されてきた地域だ。現地の工場労働者は次のように回答してきた。

「平均すると電気が通じるのは一日2時間、多い日で4時間程度だ。電圧が弱くてしばしばヒューズが飛ぶ。工業線(産業用の電気)を勝手に引く『盗電』行為がなくならず、当局は幹部であっても地位にかかわらず処罰すると警告している。水道は一日に2回、30~40分程度出るが、凍結してまったく使えない家もある。現金がなくて暖房用の薪が買えない人が多い。電気もまともに来ないので凍え死にしそうだ」

◆国内随一の大鉄鉱山がある茂山郡

同じ咸鏡北道の茂山(ムサン)郡。北朝鮮最大の鉄鉱山があり、優先的に電気供給があった地域だ。ただし、国連安保理による経済制裁で鉄鉱石輸出が禁じられ合弁相手の中国企業が撤収、不振にあえいでいる。「昨年は国内向けに少し生産しただけ。毎日機械整備ばかりやらされている」と、取材協力者の鉱山労働者が言う。

「住民用の電気供給は1日に2~3時間程度。1時間しか来ない日もある。昨年末の80日戦闘期間中は、鉄鉱山と脱穀期の農村に電気を集中供給したたため、一般住民にはほとんど来ていなかった。現在、アパートで水道が使えるのは2階までだ。水圧が弱くて上がらない。朝・晩に30分~1時間程度出る」