(参考写真)市場で買い物する痩せた軍人は将校だった。2013年8月に撮影アジアプレス

◆ 配給劣悪な上コロナ統制で兵士苦境

北朝鮮当局は軍の将兵に対しても、新型コロナウイルス対策による厳格な統制を実施している。部隊からの外出だけでなく民間人との接触を禁じており、親は面会や差し入れができなくなって、劣悪な食事を補う手段が乏しく、栄養失調になる兵士も出ている。咸鏡北道(ハムギョンプクド)の茂山(ムサン)郡に住む取材協力者が軍関係者に接触して、3月10日に近況を伝えてきた。(カン・ジウォン

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咸鏡北道は約500キロに渡り中国と国境を接しており、一般軍部隊に加え国境警備隊の大部隊が駐屯している。

国境警備隊は、かつては中国との密輸や越境をほう助したり、目をつぶったりすることで賄賂を受け取ることができ、「稼げる配置先」だった。将校たちは食堂で食事をし、下級兵士たちも余禄にあずかることができた。


しかし、金正恩政権がコロナ流入警戒して中国国境の統制を厳格にしたため、密輸はほぼ壊滅、中国への越境も困難になった。部隊員の相互監視も厳しい。「密輸もできないし地元の民間人とも接触できないため、将校から下級兵士まで、皆が空腹に苦しんでいる」と協力者は言う。

◆ おかずは大根と白菜の塩漬けだけ

では兵士たちはどんなものを食べているのだろうか? 取材協力者は軍の補給関係者に会って話を聞き、次のように伝えてきた。

「おかずは塩漬けの大根と白菜だけ。主食はトウモロコシの粉を炊いて出している。国は白米も混ぜて供給しているが量がまったく足りないため、部隊でコメを売って安価なトウモロコシと交換しているが、栄養失調になる兵士が多い」

このように食事の質が悪くなったため、国境警備隊が「迷い家畜」を銃で撃って食べる事件が頻発し、近隣の住民の不満が強まっている。昨年8月、社会安全省(警察)は、コロナ防疫のためとして「国境地帯1~2キロに緩衝地帯を設け、そこに入る者と家畜は無条件、予告なく射撃する」という布告を出した。