(参考写真)夕刻の恵山市場。2014年9月中旬に撮影アジアプレス。現在は商売不振で閑散としているという。

 

北朝鮮各地の市場で穀物価格が急騰して市場が大きく混乱している。

アジアプレスでは6月15日に、北部の咸鏡北道(ハムギョンプクド)、両江道(リャンガンド)、平安北道(ピョンアンプクド)で市場調査を実施した。3地域の市場価格は、若干の差があったもののほぼ同様だった。その平均値と、通貨ウォンの中国元、米ドルの実勢交換レートは次の通りだ。5月28日に比べ白米は1.7倍、トウモロコシは2.4倍の上昇、中国元は40%も下落した。※食糧は1キロ当たりの朝鮮ウォンの価格。

 

〇白米
4200(5/28)→ 4900(6/8)→7000(6/15)

〇トウモロコシ
2200(5/28)→ 2800(6/8)→5300(6/15)

〇1中国元(=約17.1円)
970(5/28)→670(6/8)→590(6/15)

 

注目すべきなのは、6月4日に突然、中国元と米ドルが急落したのを契機に物価高騰が始まったことだ。また、中国元に換算した食糧価格の高騰は明らかに異常である。それを日本円に換算すると6月15日の白米価格は約203.95円、トウモロコシは約154.42円という異様な高値になる。

◆当局は価格統制していない

昨年、新型コロナウイルス対策で中国からの輸入がほぼ止まり、物価上昇が見られた際、北朝鮮当局はインフレを極度に警戒し、市場で穀物の販売上限価格を設定し、守らない商売人のコメを没収するなど強力な介入・統制を行った。ところが、15日時点で、当局は傍観しているようだ。

「当局は手をこまねいているだけで価格統制に乗り出していない」と、各地の取材協力者は口を揃える。
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