それでは、なぜウォン高が続くのか? 北朝鮮経済はこの1年余り不振を極めており、国際的にも交換価値を認められていない。北朝鮮住民の自国通貨ウォンに対する不信も根強いのだが。理由は定かではないが、当局が介入して相場を操作しているのは間違いないと見られる。

北朝鮮当局は、新型コロナウイルス流行後、中国との国境を封鎖して貿易を絞り、昨年8月頃からはほぼ完全に国家管理に置いている。以前は貿易会社に輸出入の裁量を認めていたが、現在では、南浦(ナムポ)港など限られた通称口で、品目と量を国家が完全に統制管理している。実質的に外貨の流通を国が独占していることがウォン高の原因だろう。

北朝鮮ウォンと中国元、米ドルの交換レートは、毎朝平壌の朝鮮貿易銀行が非公式に発表する参考値を基に、「トンデコ」と呼ばれる各地の地下両替商が独自に決めていた。(カン・ジウォン

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。