高市早苗経済安全保障担当大臣ら3人が、政治資金規正法(以下、規正法)の虚偽記載で奈良地検に刑事告発されていたことが分かった。高市大臣らは昨年、パーティ券収入の不記載が報道された後に刑事告発されたが、その後高市大臣側ではなく、パーティ券を購入した政党支部が政治資金収支報告書(以下、収支報告書)を訂正したため、その訂正が虚偽だとして重ねて告発状が出された。一連のパーティ券問題では高市大臣らが刑事告発されるのは2度目。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)
◆赤旗の報道で発覚し修正
まずは、2度目となる今回の刑事告発について説明する前に、昨年に出された最初の刑事告発の内容を見てみよう。
奈良県の「自民党山添村支部」(以下、山添村支部)は、高市早苗大臣が代表を務める「自由民主党奈良県第二選挙区支部」(以下、第二支部)が2019年に開催した政治資金パーティ「Fight On!! Sanae 2019 高市早苗支部長の出版をみんなで祝う会」のパーティ券を22万円分購入し、「チケット代」として支出したと政治資金収支報告書に記載していた。
それにもかかわらず、第二支部は収支報告書に山添村支部から得た22万円分のパーティ券収入を記載していなかった。規正法では、20万円以上のパーティ券収入を収支報告書に記載することを義務付けているので、第二支部は法律に違反していることになる。
この件を「しんぶん赤旗日曜版」(以下、赤旗)が昨年に報道し、さらには告発状がだされたことから山添村支部は「チケット代」を22万円から20万円に減額修正し、収入においても「個人からの寄付」を10万円から8万円に修正した。
「赤旗」の取材によると、高市大臣側の担当者は「山添村支部には20万円分しか売っておらず、残りの2万円分は山添村の副村長(当時)が個人で購入したもの」と弁明している。
つまり、減額した2万円は副村長が個人で購入したものだったので、山添村支部は20万円分しか購入していないという理屈だ。これだと第二支部は、20万円を越えていないパーティ券なので収支報告書に記載しなくてもよいことになる。