大阪市の中央卸売市場(同市福島区)でまたも、もっとも危険性が高いとされるアスベスト(石綿)を含む吹き付け材(耐火被覆材)が落下する事故が起きた。市は翌日から落下箇所を除いて市場を利用再開。ところが実際には適切な安全確認がされておらず、法令違反の可能性がある。(井部正之)

吹き付けアスベストが落下した大阪市の中央卸売市場(同市福島区)本場西棟1階のようす。すでに1月21日に除去済みという(大阪市提供)

◆測定結果出る前に利用再開

市によれば、天井の耐火被覆材が落下したのは同市場の本場西棟1階の南西に位置する青果卸売場で、野菜や果物などの積み卸し作業をする場所という。

1月21日午後1時半ごろ、基準(重量の0.1%)超の石綿を含む耐火被覆材が高さ5メートルの天井から一部落下しているのを警備員が発見。午後1時40分ごろ、市職員に連絡があり、現地確認した。その段階ですでに縦横各5メートルのブルーシートで覆ってあった。

落下した石綿を含む耐火被覆材は、縦40センチ、横2.5メートルの約1平方メートルで厚さ約2センチ(市発表では縦横逆に記載)。もっとも大きな破片は縦横20センチで重さ約140グラム。

市は立入禁止の措置を講じて、市職員数名で防じんマスクを装着して当日中に破片を回収。床面のアスファルトに残る粉状の欠片も水で濡らしてウエスで拭き取るなどして清掃した。その後同日午後6時ごろから空気環境測定を実施したという。

同日午後7時40分ごろ、市は石綿を含む耐火被覆材の落下を発表。落下原因は湿気と推測しており、2023年7月と10月の点検では問題なかったとした。

問題は、空気環境測定の結果が出ていないにもかかわらず翌22日から市場の利用を再開していることだ。

石綿粉じんは目に見えない細かなものである以上、空気を調べて石綿飛散がないことを確認したうえで利用再開とするのなら理解できる。しかし、市はその結果すら出ていないにもかかわらず、翌22日から利用再開している。23日午後でも測定結果は出ていないという。

市は「その部分(落下箇所)は立入禁止にしてます」などと強調するが、実際にはブルーシートのあった場所の周りを三角コーンとそれをつなぐ棒「コーンバー」で囲っただけ。密閉空間でないことから、もし吹き付け石綿の細かな破片が落ちていれば、風で飛散してもおかしくない。また囲いの外側に落ちていて、場内を行き交う車両や働く人たちが踏んでしまうこともあろう。そうした場合にも石綿が飛散し、そこに居る人たちが吸ってしまう可能性がある。

安全性を重視するなら、こうした場合には複数箇所で測定するのが当たり前であり、(石綿飛散がないことを確認したうえで)測定が日曜のため無人で通常使用時の環境と異なることを考慮して、利用再開後にも改めて複数回測定して安全確認をするくらいの対応が必要だろう。

まして本場西棟では、たびたび吹き付け石綿が落下する事故が起きている。市の説明では2022年6月と10月、2023年2月と6月とわずか2年間で計4回に上るのだ。

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