
◆第21独立機械化旅団・ドローン中隊(ドネツク州リマン)
いま、戦争の形態が大きく変わりつつある。それをもたらしたのは、超大型兵器ではなく、小さなドローンだ。突如飛来し、爆弾投下に自爆攻撃。数百ドルの「兵器」がロシア軍、ウクライナ軍双方の兵士を苦しめる。東部戦線のドネツク州で、ウクライナ軍ドローン部隊を取材した。(取材:2024年4月・玉本英子・アジアプレス)
「ウクライナ侵略を考える~『大国』の視線を超えて」著者、加藤直樹氏に聞く(1)「反侵略」の立場から
【動画】 ロシア軍の戦車や装甲車に向けて襲いかかる自爆攻撃型ドローンの映像。(第21独立機械化旅団撮影映像)


◆「おもちゃのようなドローンが敵を追い詰める」
ロシア軍とウクライナ軍との攻防が続くドネツク州リマン。白樺林を抜け、いくつもの検問所を越えて小さな家々が立ち並ぶ村に入った。砲撃で屋根が崩れ落ちた家屋が点在する。村の施設の一角に、ウクライナ軍・第21独立機械化旅団のドローン中隊拠点が置かれていた。
「これ全部、ここで作ってるんですよ。でも、数はまだまだ足りません」
中隊のダイバー班長(37歳)が、小型ドローンを手に取って言った。
自動車部品販売業だった彼は、侵攻後に入隊。学生時代に工学を専攻し、電子機器の扱いの経験があったこともあり、ドローン部隊に配属された。電子部品の入ったおもちゃや、家庭用電化製品からパーツを転用し、改造を加えて機体を作り上げる。
「ウクライナ侵略を考える~『大国』の視線を超えて」著者、加藤直樹氏に聞く(2) 日本の平和運動の無自覚な「大国主義」


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