防空部隊・機動火器群のイホール曹長。(2024年4月・撮影:玉本英子)

◆第122独立領土防衛旅団・機動防空部隊(オデーサ州)

連日、ウクライナ各地に飛来するミサイルと自爆ドローン。その標的は軍事施設だけでなく、電力インフラや住宅地にもおよび、深刻な被害が出ている。防空網をすりぬけて侵入した機体を迎撃するのが防空部隊だ。南部オデーサ州で、部隊の訓練を取材した。(取材:2024年4月・玉本英子・アジアプレス)

<ウクライナ東部>兵士の肖像(2・前編)武器弾薬不足とドローン攻撃で苦戦する砲兵部隊 写真11枚

深夜、オデーサ上空に鈍い音を響かせ飛来した自爆攻撃ドローン「シャヘド」。防空部隊が対空砲火を浴びせる。(2024年3月・撮影:玉本英子)
シャヘドが集合住宅に直撃し、爆発。現場では瓦礫をかき分け救助活動が続いていた。住人12名が死亡、うち5人は子どもだった。連日、こうした被害が各地で起きている。(2024年3月・撮影:玉本英子)

◆自爆攻撃型ドローン「シャヘド」の脅威

深夜1時を過ぎた頃だ。オデーサの夜空に、ブォーンという鈍く重い音が響いた。すぐさまドドドーンといくつもの赤白い火花の連なりが、地上から上空へと伸びていく。侵入した自爆攻撃型ドローン「シャヘド」への対空砲火だ。この夜、シャヘドは集合住宅で爆発し、住民12人が死亡した。飛来するミサイルやシャヘドを迎撃する任務にあたるのが、防空部隊だ。

12.7mm弾を金属の給弾ベルトに詰める。前線の戦闘部隊に弾薬が優先的に回されるため、訓練弾薬の数が制限されて十分な訓練ができないという。(2024年4月・撮影:玉本英子)
CANiKM2は、アメリカのブローニングM2機関銃をトルコがライセンス生産したもので、ウクライナに供与。白い煙の尾を引いて飛ぶ模擬標的弾を、シャヘドに見立てて狙う。(2024年4月・撮影:玉本英子)

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