
◆第122独立領土防衛旅団・機動防空部隊(オデーサ州)
連日、ウクライナ各地に飛来するミサイルと自爆ドローン。その標的は軍事施設だけでなく、電力インフラや住宅地にもおよび、深刻な被害が出ている。防空網をすりぬけて侵入した機体を迎撃するのが防空部隊だ。南部オデーサ州で、部隊の訓練を取材した。(取材:2024年4月・玉本英子・アジアプレス)
<ウクライナ東部>兵士の肖像(2・前編)武器弾薬不足とドローン攻撃で苦戦する砲兵部隊 写真11枚


◆自爆攻撃型ドローン「シャヘド」の脅威
深夜1時を過ぎた頃だ。オデーサの夜空に、ブォーンという鈍く重い音が響いた。すぐさまドドドーンといくつもの赤白い火花の連なりが、地上から上空へと伸びていく。侵入した自爆攻撃型ドローン「シャヘド」への対空砲火だ。この夜、シャヘドは集合住宅で爆発し、住民12人が死亡した。飛来するミサイルやシャヘドを迎撃する任務にあたるのが、防空部隊だ。


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