◆筆者が「誤った認識」と市主張

前出・拙稿で、市が〈「説明会の開催で作業が遅れた」などと事実と異なる説明をした〉〈翌7月25日、市教委に確認したところ、除去作業が9月からとなったのは発注の遅れが原因で、説明会が理由で作業日程が遅れた事実はないことを認めた。市の対応に原因があるにもかかわらず、作業日程が遅れた責任を説明会の開催を求めた保護者に虚偽説明で押しつけるなどあってはならない。市は猛省すべきだ〉と批判したことも議題に上った。

長谷川市議が「説明会の開催をするために作業が遅れた。こういうふうにお答えになった。これは事実ですか」と質すと、山本課長は「説明会では当初はアスベスト除去作業の前の養生作業を夏休み中から着手する計画でございましたが、説明会後に養生作業を行うことにしたことを伝えたものでございまして、アスベスト除去作業は当初より夏休み後の9月からおこなう計画となっておりました」と説明会時と同じ内容を繰り返した。

「事実と異なる説明をした。記事の記述、どう思われますか」と長谷川市議が突っ込むと、山本課長は「養生作業であったり前段の仮設工事、体育館に足場を組んだりとか、仮囲いで囲ったりとか、そういった作業は説明会と前後して、どのタイミングでおこなうかという調整はありましたが、説明会で説明した後に養生作業等は実施というところで、そのあたりでこちらのほうの説明と記者さんの認識でずれが生じてしまったものかなと思っております」と筆者の勘違いと主張した。

さらに「記者の認識のずれですか。説明会を開催するために作業が遅れたと説明した。そういう説明しなかった?」と再度確認。

市側は「おもに作業が遅れたというところに関しましては、養生作業を説明会の後に行うというところですね。そういったところが、説明会の後にやったというところで、遅れたということで、説明した。こちらとしてはそういう認識であったんですが、全体的に工事日程自体を説明会により遅らせてしまったというような形でご認識いただいたのかなというところで、こちらの説明不足であったかなと認識しております」と繰り返した。

同市議は「井部氏は市は猛省すべきだとおっしゃっているんですが、あなたがたは反省することはないんですか」と指摘すると、山本課長は「説明に関しましては、結果としては間違ったご認識されてしまっていることになりますので、私どもの説明が不十分と思っております。このあたりは反省したい」と答弁。

さらに「相手方が間違った認識をしたんですか、あなた方の説明が間違っているんですか、どちらなんです?」とたたみ掛けた。

市教委の山本課長は「私どもの言葉の不足により、誤った認識を持ってしまわれた。私どもの説明不足であった」と再び筆者の勘違いと主張した。これは市側の事実関係についての認識が間違っているのだが、これについては後述する。

続いて長谷川市議は、説明会に参加していた前出・連絡会の西日本支部世話人で堺市在住の古川和子さんが「説明会の開催でアスベスト除去作業が遅れたかのような説明に一瞬説明会を求めたのが支障があった、自分たちが悪かったのかと思った」とメールで送った見解を引用し、市に「こんなことがなかったといえますか」と質した。

山本課長は「説明会でそのような趣旨の発言が市側からちょっとあったのかもしれないですが、あくまで一工程の話という認識で、アスベスト除去自体は9月からの開始を予定しておりましたので、影響はいまとなっては特段なかったのかなと認識しております」と回答した。

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