◆追い立てられる姿は今も変わらず

現場では今も男女問わず軍人が大量動員され、堤防の工事と整備にあたっている。現地では確認できなかったが、官営メディアによるとアパート群の後方には巨大な温室施設を始めとして科学技術研究拠点などを建設中で、金正恩氏肝いりの「大農場都市」計画が進行中だという。

柵の外側の堤防工事は完了しているが、内側にもう一段階高い堤防を作ろうとしているようだ

現地には、「敬愛する最高司令官金正恩同志の2025年9月18日の現地でのお言葉を徹底して貫徹しよう!」というスローガンがあった。官営メディアによると、同日、金正恩氏は現地指導を実施。来年初に予定される第9回党大会に十分な建設成果を報告することを指すのだと推測できる。

堤防工事に動員されている軍人ら。兵士が多いようだ。柵を乗り越えた兵士は、川辺に水を汲みに行くのだろう
女性兵士の姿も多く見えた。周囲に高い建物がないからだろうか、ヘルメットをしていない人も多い
土砂かがれきだろうか。荷背負う女性兵士をもう一人が後ろから支えている。背後には「朝鮮労働党第9回大会に捧げる忠誠の労力の贈り物を用意しよう!」というスローガン

「党の前で決意した日まであと〇日」という看板もあった。昨年と変わらず、工期に追い立てられるように作業に当たっているのが分かる。疲れた様子で居眠りをする軍人の姿も見えた。

一人離れたところにいる兵士が、じょうろを手にしたまま眠っている
午後5時頃、西日に照らされて作業していた。女性兵士が柵に腰かけてうずくまるように眠っている。ヘルメットを外して鏡を見ながら髪を整えている兵士も
北朝鮮地図 製作アジアプレス

※写真はすべて平安北道新義州市威化島。昨年撮影のものを除いて、2025年9月に中国側から撮影(アジアプレス)

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