
◆膨大な瓦礫を破砕し、道路に再生
連日、ミサイルや自爆ドローンの攻撃にさらされるウクライナ各地の都市。破壊された建物の瓦礫は膨大な量にのぼる。それを破砕して、建材に再生させるプロジェクトがある。日本の支援で始まった取り組みをドニプロで取材した。ウクライナへの「日本の支援」の現場を追った連続シリーズ・全3回。(取材・写真:玉本英子・アジアプレス) (2/3)
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ウクライナ第4の都市、ドニプロ。市内の中心部に、小さな桜並木がある。2017年、ウクライナと日本の外交関係樹立25周年を記念して植樹されたものだ。毎年、春になるとピンクの八重桜が花開き、市民に親しまれてきた。そのすぐわきに建つメチニコフ病院は、昨年、ロシア軍のミサイル攻撃で一部が損壊し、負傷者が出た。病院もまた被害を受けている現実がある。
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攻撃によって破壊される施設や集合住宅。瓦礫の量も膨大だ。これらの瓦礫を破砕して、道路舗装などの再生建材にする取り組みが進められてきた。
ドニプロ市のはずれにある破砕作業現場を訪れた。一面にはコンクリート片が広がる。
市事業体のエデュアルド・メシュコウスキさん(43)は、厳しい顔つきで言った。
「すべてロシア軍の攻撃によるものです。いくら破砕処理しても、毎日、ここに瓦礫が運ばれてくるのです。ドニプロで、どれほどの数の建物が破壊されているかわかるでしょう」

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ブルドーザーが大きなエンジン音を轟かせ、2メール四方ほどのコンクリート壁の瓦礫を押し出す。それを油圧圧砕機が挟んで割り砕き、処理機械で細かく破砕。ベルトコンベヤーで複数の工程を経て、砂状になる。これが道路舗装や2次再生建材となる。























