◆「この建物は2つの大戦を見つめ、いま3つめの“大戦”を目撃しています」
オデーサの旧い街並みに佇むUNIONの建物は、1902年に建てられた。2つの大戦、ロシア革命とソビエト時代、そして独立ウクライナ。激動の123年だった。
「この建物は、第1次大戦、第2次大戦を見つめてきました。いまは3つめ、”第3次大戦”を目撃しています。過去の大戦でも生き残った建物です。きっとこの戦争でも、持ちこたえてくれると信じています」
オクスさんは、ジョーク交じりに笑った。何事にも陽気なオデーサっ子の気質なのだという。


連日、市内には防空警報のサイレンが鳴り響き、夜には自爆ドローンが飛来する。そんな「日常」が続くウクライナ。
「ミサイルに怯える毎日。落ち込んだり、悲しんだりするのはあたり前です。この場所をアートや文化の交差点にして、人びとが豊かな心を取り戻せるようになればと願っています」
オクスさんは、そう意気込んだ。



<ウクライナ・アートの現場 1>「戦争の中でも希望つなぐ世界はある」イリーナ・スシェルニツカ(画家)
<ウクライナ・アートの現場2>侵攻に立ち向かう「オデーサ猫」(ストリート・グラフィティ)写真22枚
<ウクライナ・アートの現場3>侵攻を”予言”した少年「戦争が起きる」マクシムが見る世界(写真12枚)
<ウクライナ・アートの現場4>「戦争になるとアートは置き去り」オデーサ芸術拠点の試み (写真13枚)
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