◆“逆ギレ”する事業者も

石綿を検出した製品を販売していた事業者の見解はどうだったのか。

「浮世絵に大注目!! 砂絵で作ろう! 浮世絵アートクリエイティブセット」(ISBN:9784065374474)を2025年1月に発行している講談社は1月19日、「販売時に製造元が有害物質含有調査は行いましたが、アスベストに特化した検査は行っていません。ただし、昨年の報道を受けて実施し、不検出という報告を受けております」「本製品は子どもを対象とした製品ではありませんが、対象年齢如何にかかわらず、製品の安全性には最大限注意をしております」「ご指摘を受けて、あらためて製造元、弊社にて、それぞれ別の検査機関にて再検査を実施中です」(第三事業本部)などと書面で回答した。初版8000部発行という。

同日、同社ウェブサイトで検査結果が判明するまで使用を控えるよう発表。

「カラー砂(ミニボトル入)12色セット」の販売元は、学校向け教材などを企画販売しているサンワ(大阪府東大阪市)だ。同社は同16日、「調査中で詳細が不明な箇所も多くございますので、現在お答えすることはできません」など書面回答。

ただし、同7日に分析中としつつもいち早く「製品の出荷および販売を一時停止」を発表している。

「シルバーバック【カンタン!たのしい!水の生きもの砂絵セット】」を販売しているのは、知育玩具などを開発・販売しているシルバーバック(東京都新宿区)。同15日に「もうしばらくお時間いただけると幸いです」と書面で連絡があったが、21日午後7時現在、回答は得られていない。

アマゾンの「子ども向けサンドアートキットの売れ筋ランキング」で1位に選出されていた「カラーサンド 12色セット DIY 色砂 砂絵 各10g」からも石綿を検出。同13日、販売しているtonecraft(札幌市)に連絡し尋ねたところ、中国のECサイト、アリババ経由で「20個とか100個とか」輸入しているという。

石綿検出を伝えると、当初「砂だから問題ないと確認して輸入している」と主張。製品の石綿分析結果などを確認しているのか聞くと、「中国語なのでわかりかねます」と答えた。安全確認すらせずに輸入・販売していることになる。

話を聞くうちに「個人でやっているので名前を出されると仕事ができなくなってしまう」と何度も懇願。石綿の含有率が基準内の可能性があることを説明すると、「基準を満たしているのにさらすのか!」と“逆ギレ”された。

仮に基準内だからといって子どもに石綿を吸わせるような製品を売ってよいのかと反論すると、「そんなことはいってない」と話をそらした。

その後この事業者はアマゾンの販売ページに石綿について記載を追加。石綿が「普通の砂利や砂にも微量含有」などと持論を展開し、〈従って、「含有ゼロ」と確約することは不可能です。そのため、不純物としての混入に関しては労働安全衛生法の規定に従って「含有率が0.1%以下のもの」を販売しております〉と主張するようになった。

それまで石綿分析すらせず、輸入元に分析結果の確認もしていないことを取材時に認めた、生産管理に一切かかわってもいない末端の輸入業者が大きく出たものである。

この業者の持論は、事実誤認や極論に偏りすぎというのが筆者の見解だ。旧石綿鉱山周辺や蛇紋岩地域などを除いて「普通の砂利や砂にも微量含有」ということはないし、解体現場などの発生源でなければ、空気中に石綿は含まれていない。この事業者にはぜひデータを示していただきたい。

いずれにせよ、この事業者は基準内なら子どもに石綿を吸わせてよいとの見解に転じたわけだ。そもそも本当に基準内であることを確認したのかすら不明だが、石綿含有の可能性が明記されたことは「まだまし」といえるかもしれない。少なくとも子どもの石綿ばく露などを懸念する消費者がこの事業者の製品を購入することを思いとどまることができるからだ(基準内だから問題ない、との主張には同意できないが)。

残る3製品のうち2製品はカラーサンドで、1製品はマジックサンドだが、いずれも中国からの販売者。カスタマーサービスはアマゾンだったので同社の取材対応窓口にメールで問い合わせたが、1月21日午後7時までに回答がなかった。

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