カラーサンド(色砂)やマジックサンドなどの子ども用の「遊び砂」から発がん性の高いアスベスト(石綿)が検出され、2025年11月にはオーストラリアとニュージーランドで小学校など70校以上が一時閉鎖するなど大騒動が起きた。じつは日本でも水面下で同じ問題がひっそり進行している。(井部正之)

◆豪で70校超が一時閉鎖
カラーサンドは砂を着色し、焼成するなどしたもので、砂遊びやサンドアート(砂絵)などの用途で広く出回っている(カラー砂、アートサンド、デコレーションサンドなどの名称もあり、豪などでは総称としてクラフトサンドと呼ばれる)。マジックサンドは砂を着色しシリコン油などを加えたもの(キネティックサンド、シルキーサンド、のびーるサンドなど、さまざまな名称がある)。ふわふわな手触りで成形しやすく、散らばりにくいため、屋内の砂遊びに適していると人気になった。いずれも知育玩具として広く販売されている。学校教材にも採用されているという。
ところが子どもが日常的に触るこうした遊び砂から次々と発がん性の高い石綿が検出されているのだ。海外だけではない。日本でも同様であることが独自調査で明らかになった。
石綿は吸うと数十年後に肺がんや中皮腫(肺や心臓などの膜にできるがん)などを発症させるおそれがある。とくに中皮腫は少量のばく露でも発症リスクがあるとされ、特効薬もなく、非常に予後が悪い。しかも石綿ばく露の年齢が低いほど、将来的な発症リスクが増加することが知られている。
この問題は、2025年11月12日にオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)がカラーサンドに石綿が含まれている可能性があると「警告」を発したのがきっかけだ。同日ACCCとニュージーランド(NZ)企業・技術革新・雇用省(MBIE)が3製品(NZでは当初2製品)の自主回収を発表した。
卸していたのは、豪でもっともよく知られた教育用品の供給者というエデュケーショナル・カラーズ社(Educational Colours Pty Ltd.)。同社が輸入し、80超の小売店に卸していたという。同社は同日、自主回収を開始した。
3日後の同15日にMBIEは、NZのKマートで販売されていたマジックサンド4製品で一部試料からトレモライト石綿を検出したとして自主回収を発表(うち3製品は後に石綿不検出として回収終了)。豪では翌16日、同様の発表がされた(同)。
その影響で、豪で70校超の小学校など、NZで8校の小学校が一時閉鎖されたと報じられている。
自主回収が発表されたカラーサンドやマジックサンドは、1月21日までに豪で延べ17社の計36製品(同)。NZで延べ12社の計19製品(同)に上る。
豪では製造国が公表されており、2製品を除きすべて中国からの輸入品。NZでの自主回収品は豪とほぼ共通しており、実質的にほとんど中国製品である。






















