
北朝鮮の北部地域で、1月の「糧穀販売所」(国営の食糧専売店)での販売量が、昨年比で2倍程度に増えたことがわかった。アジアプレスでは咸鏡北道(ハムギョンプクド)の2都市と両江道(リャンガンド)に住む計5人の取材協力者が調査した。(石丸次郎/カン・ジウォン)
◆強引に市場での食糧売買禁じ「糧穀販売所」に一元化
金正恩政権は、2020年半ばから主食の米とトウモロコシの市場や個人間の流通を統制し始めた。合法だった市場での食糧売買に当局が介入し、2023年1月からは、市場での食糧流通は禁止され売り場が撤去されたことを、アジアプレスは取材で確認している。
金政権は、国営の「糧穀販売所」を全国で再設置し、食糧流通の国家独占を図ろうとしてきた。市場機能を弱体化させ住民統制を強化することと、食糧売買で国家が利益を得ることが目的と見られる。
「糧穀販売所」では市場より少し安い国定価格を設定してきたが、いかんせん十分な量を確保できず、ずっと1世帯当たり5~10キロ程度程度しか購入できない状況が続いていた。住民たちは隠れて個人取引に走らざるを得ず、食糧確保に不安が生じていた。
北部地域における「糧穀販売所」での販売量は、昨年11月から増え始めたが、今年1月は、ほぼ需要を満たす水準に達していることが今回の調査で分かった。トウモロコシが主で、小麦と小麦粉も少量販売された。白米の販売はなかった。

◆トウモロコシ1キロ約15円で販売
取材協力者の調査結果は次のようなものだ。
3人基準による1世帯当たりのトウモロコシの販売量は、咸鏡北道のA市では20キロ、B郡では30キロを上限とされた。同じ道内で差がある理由は不明である。
両江道では、同じく25~30キロを上限に販売された。販売価格は1キロ当たり3400ウォンとのことだった。トウモロコシは国産と中国産だった。販売価格は国定であるが、両江道の取材協力者によれば「価格は毎月変動する」とのことだ。
参考までに、昨秋の収穫後、国や企業が農場からトウモロコシを買い上げる「収売価格」は、咸鏡北道のある農場では1キロ当たり3000ウォンだった。
※北朝鮮1000ウォンは約4.3円。






















