◆石綿「検出」でもサンリオコラボ製品回収なし

アスベスト含有にもかかわらず、自主回収が発表されなかったシルバーバックのサンリオとのコラボ砂絵セット4製品(同社発表より作成)

一方、発表で同社は、わざわざ「安全性が確認されている商品について」との項目を設けて「ハローキティ」砂絵セットなどサンリオとのコラボ4製品の安全性を強調している。

・カンタン!たのしい!砂絵セット マイメロディ (ISBN:9784861489334)
・カンタン!たのしい!砂絵セット ハローキティ (ISBN:9784861489327)
・カンタン!たのしい!砂絵セット はぴだんぶい (ISBN:9784861489358)
・カンタン!たのしい!砂絵セット シナモロール (ISBN:9784861489341)

同社はコラボ4製品について、「上記製造工場とは別の工場で製造されており、国内検査機関による検査の結果、日本の法令基準に適合していることを確認しております」と主張。

もともと同社は1月23日の発表で、上記4製品について石綿「未検出」のため、「安心してご使用いただけます」と“安全宣言”。

同社は、今回も「安全性が確認されている」としているが、筆者の独自調査で、少なくとも「カンタン!たのしい!砂絵セット ハローキティ」(ISBN:9784861489327)から石綿の1つ、トレモライト石綿を検出。関連4製品とも石綿含有の可能性が高いことを指摘していた(2月18日の拙稿〈事業者「安全」宣言のハローキティ「砂絵セット」からアスベスト検出 使用・販売停止と自主回収を〉参照)。

ところが今回の同社発表では、石綿含有の有無については言及されず、「日本の法令基準に適合」「安全性が確認されている」と記載。さらに「検査結果については労働基準監督署へ報告済み」として、あたかも問題ないかのような書きぶりだ。

しかし石綿「不検出」とは書かずに「日本の法令基準に適合」としているのは、実際には石綿含有ということだ。

事実、発表で同社は「なお、これらの商品につきましても、ご希望のお客様には返金対応をさせていただきます」と付け加えていることからも裏付けられる。石綿「不検出」なら返金になど応じるわけがない。しかも「回収」方針は示されていない。

同省に聞くと、「今回はあくまで基準適合。(重量の)0.1%という基準を超えているかといえば、超えていないと理解しています」(化学物質対策課)と事実上、石綿含有を認めた。

すでに述べたように同社のいう「日本の法令基準に適合」とは、実際には石綿含有の意味であることは同省の証言からも明らかだ。

安全性についてだが、筆者の取材に対し同省は「重量の0.1%」との基準について、「0.1%以下なら安全上問題ないからではなく、当時の分析技術の限界や意図的な石綿の添加なら0.1%超といったことから定められた。0.1%以下なら安全とか健康上問題ないと判断しているわけではない」(化学物質対策課)と説明。

健康リスクを考慮して定めたわけではないということかと再確認したところ、「当時の検討をすべて調べないと断言は難しいが、健康リスクの観点から(0.1%の基準を)設けたかというとそういうことではない」(同)と認める。

つまり、基準内の石綿含有なら安全というわけではないのだ。石綿の発がんリスクはここまでなら安全との「しきい値」が確認されておらず、とくに石綿ばく露特有のがんである中皮腫(肺や心臓などの膜にできるがんで非常に予後が悪い)は、少量のばく露でも発症リスクを否定できない。同省の回答はこれを踏まえたものだ。

同社は国に分析結果報告書を提示して石綿含有を報告する一方、消費者に対しては石綿の有無すら明確にせず、「基準に適合」と強調。根拠も示さず「安全性が確認されている」と主張し、「監督署へ報告済み」とお墨付きが得られているかのように続ける。こうした対応はあまりにも不誠実といわざるを得ない。

再発防止について、同社は原因究明中とし、「原材料および製造工程の管理体制の見直しを含めた品質管理および安全管理体制の強化を進めております」「今後はより一層の品質管理の徹底を図り、安心してご使用いただける商品づくりに努めてまいります」と主張。しかし石綿含有の有無すら消費者に明らかにせず、根拠もなく「安全」を主張するような会社をどう信用すれば良いのか。

同社にも問い合わせたが、午後5時以降だったため連絡がつかなかった。改めて確認のうえ、報告したい。

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