◆基準内の石綿含有と主張

もともと筆者がアマゾンやヤフーショッピング、実店舗で16社の計19製品を購入。協力を得た分析機関で国際標準の分析法「JIS A 1481-1」で石綿の有無を調べる「定性分析」をしてもらう独自調査をした。その結果、7製品からトレモライト石綿を「微量に検出」。1月22日に〈<アマゾンなどで販売>カラーサンドなど7製品からアスベスト検出 子どもが吸う危険 独自調査で判明〉との記事を『アジアプレス・ネットワーク』や『ヤフーニュース』に掲載した。

分析したのは日本環境測定分析協会(日環協)における石綿分析講習のインストラクターが所属する会社で、社内精度管理だけでなく第三者認証も実施するなど、建材などの石綿分析で日本でもトップクラスの分析機関である。

じつは石綿を検出した製品の1つがシルバーバックの「カンタン!たのしい!水の生きもの砂絵セット」(ISBN:9784861488733)だった。

筆者が記事を発表した翌23日、同社は当該製品について分析中と発表。「カンタン!たのしい!砂絵セット ハローキティ」(ISBN:9784861489327)などサンリオとのコラボ4製品については、石綿「未検出」で「安心してご使用いただけます」と“安全宣言”し販売を継続した。

これを受けて筆者は「ハローキティ」砂絵セットを購入。協力を得た分析機関で「定性分析」してもらうと、トレモライト石綿を「微量に検出」したため、2月18日に関連4製品とも石綿含有の可能性が高いことから、販売停止や自主回収が必要と記事で指摘した(拙稿〈事業者「安全」宣言のハローキティ「砂絵セット」からアスベスト検出 使用・販売停止と自主回収を〉参照)。

こうした経緯があったわけだが、おかしなことに同社は今回の発表で、ハローキティなどコラボ4製品の石綿含有の有無について言及せず、「日本の法令基準に適合」「安全性が確認されている」と強調。さらに「検査結果については労働基準監督署へ報告済み」と、あたかも問題ないかのように発表した。

しかし石綿「不検出」とは書かずに「日本の法令基準に適合」としているのは、実際には石綿含有ということだ。

発表で同社が「なお、これらの商品につきましても、ご希望のお客様には返金対応をさせていただきます」と付け加えていることからも裏付けられる。石綿「不検出」なら返金に応じるわけがない。しかも「回収」方針は示されていない。

石綿規制(労働安全衛生法=安衛法)を所管する厚生労働省に聞くと、「今回はあくまで基準適合。(重量の)0.1%という基準を超えているかといえば、超えていないと理解しています」(化学物質対策課)と事実上、石綿含有を認めた(3月10日の拙稿〈子ども用砂絵セット4製品から基準超のアスベスト検出で自主回収発表 「ハローキティ」など4製品も「含有」だが回収なし〉)。

同社のいう「日本の法令基準に適合」が実際には石綿含有の意味であることは同省の証言からも明らかだ。

そもそも石綿の有無を調べる「定性分析」で石綿を検出していない限り、含有率を調べる「定量分析」をすることになっていない。同省に対して定量分析結果を示している以上、石綿含有は間違いない。

筆者の取材に対し、同社は3月18日、「法令基準以下であり明記する必要性がないと判断した」と石綿含有と意図的な“隠ぺい”を認めた。

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