
3月1日から、北朝鮮当局が国営商業網と企業間取引での現金使用を原則禁止し、カード使用など電子決済への転換を強制的に進めていることがわかった。2月末と3月初旬、咸鏡北道(ハムギョンブクト)と両江道(リャンガンド)に居住する取材協力者が報告してきた。(チョン・ソンジュン/カン・ジウォン)
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◆3月から国営商店で現金決済全面禁止
咸鏡北道の取材協力者A氏は2月末、次のように伝えてきた。
「3月から国営の商業網で現金が使用できなくなり、カード決済対応のみにすると当局の指示が下りてきた。カードがないと国営商店で物を買うのが難しくなった。道と市では以前から進められていたが、郡や農村の商店まで拡大せよという方針だ」
他の地域の状況についても調査したところ、両江道でも同様の措置が進められていることが分かった。恵山(ヘサン)市の取材協力者B氏は3月初旬、次のように伝えてきた。
「ここでも個人にカードを使用するよう要求している。国営商業施設は現金を受け取らなくなり、(カード決済のための)電気設備の補修と太陽光発電設備の設置に大わらわだ。電力事情が悪いため、(電力供給が比較的安定している)夜の時間帯でまず先にカード使用を義務化せよと当局は要求している」
またB氏は、「市場では依然として現金取引が行われているが、当局が様々な口実で売買の内容を確認している」と伝えた。
◆外貨の闇取引統制狙いか インフレ要因にも
さて、金正恩政権によるこの強引な「キャッシュレス化」政策(北朝鮮では「無現金化政策」と呼ばれる)は、国内でどのように受けとめられているのだろうか?
B氏は、「無現金化政策」は「外貨管理」と関連しているとして、次のように説明した。
「個人間の中国元の実勢交換レートが1日に何度も変動しているが、カード決済体系を政府が統合管理することで、闇の外貨取引を根源的に遮断しようとしている」
現金使用が減ってカード使用が増えれば、現金フローが管理・追跡可能になり、主に現金で行われている外貨の闇取引を減らせるという説明だ。
またA氏は、最近になって企業間取引も「企業専用カード」を通じて行われるようになり、これが物価上昇を助長していると主張する。
「企業専用カードが登場したが、国家が生産単位(生産企業)にお金を貸す形でカード残高を補充しているため、この金が市中に流出することで物価を押し上げる原因になっている」
北朝鮮通貨の価値は数年前からずっと下落傾向にあるが、最近の1カ月間を見ると、1ドル当たり3万5000ウォン(1月30日調査)から4万5000ウォン(3月6日調査)へと、30%近く急落している。























