(参考写真)北朝鮮の冬は厳しい。北部では最低気温が零下25度を下回る。電力難で水道が停まり、共同井戸で水汲みをするのも日常の光景だ。2015年1月に中部地方で撮影(アジアプレス)

冬の寒さが厳しい北朝鮮では、暖房や煮炊き用の薪は必需品だ。最近、その薪の値段が高騰し住民の不満が高まっている。当局が山林保護を名目に山に入って木を伐採するのを厳しく取り締まっているためだ。2月中旬、北部の両江道(リャンガンド)の状況を取材協力者が伝えてきた。(チョン・ソンジュン/カン・ジウォン

◆伐採取り締まり検問で賄賂要求

恵山(ヘサン)市の取材協力者によると、冬場になって暖房用の薪を山で伐採することが厳しく統制されているが、担当組織である「山林経営所」が取り締まりを収益事業にしているという。

「焚き木用の木材の違法伐採を山林経営所が厳格に規制しているが、実際にはそれで金儲けをしている。山林哨所(検問所)では、木材1立方メートルにつき10万ウォンの賄賂を渡せば通過を許可している」
※北朝鮮の1万ウォンは約355円。
※山林経営所とは国土環境保護省傘下で、各市・郡で森林の計画的な保護と造成を管理する機関。

「(すでに枯れて)乾いた木でなければ、哨所で没収される。それを山林経営所が市場に売っている。(没収した木は)困窮世帯に供給するという原則があるのに、それを守らず、山林経営所が金儲けをしているのだ」

商人から買った薪を手押し車で運ぶ住民たち。2025年9月に恵山市を中国側から撮影(アジアプレス)

◆「薪の出所を言え」と市場商人からも没収

当局による山林への立ち入り規制が強化されて、これまで恵山市民が使う薪を供給していた白岩(ペクアム)郡など、山林資源が豊富な近隣地域から出て来る薪の量が減っているという。協力者は次のように言う。

「寒さが厳しくなると、大人も子供も山へ(薪を伐りに行く)ため、取り締まりを行う者も増えている。枯れ木でなければ、検問所を通過することが不可能だ。また、建設用に伐採された木の副産物(枝や樹皮など)でさえ、山林経営所の許可がなければ取り締まりの対象となる」

薪を売る市場の商人に対しても容赦がない。協力者は「明け方から市場の薪商人に対して薪の出所を説明させている。まともに説明できなければ没収している」と述べた。

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