APN_080324_yanagimoto_001.jpg「一中市場」
2000年、2004年の総統選後はいずれも株価が下がったが、今回は前祝とばかりに高騰した。台北の平和も当分保証されることになり、不動産需要も高級マンションを中心に沸騰しているという。
これでパンダの来台が決まった、大陸からの観光客も激増する、直行便の就航もまもなくだと久しぶりに景気のいい話題がニュースをにぎわしている。

今回の選挙で、唯一争点となったともいえるのが、馬英九候補の「両岸共同市場案」である。これに対して謝長廷候補は「一中市場許すな」と非難の論陣を張った。
有権者はこの経済政策の岐路にたって、重大な選択を下したものといえる。台湾の政治にこれから紆余曲折はあろうが、この踏み出した一歩は、もう後戻りできない。

このままでは、台湾は呑み込まれてしまうと危惧する人がいる。
しかし台湾人の、あるいは台湾経済の実力はそのようにか弱いものだろうか。たとえ小さくても、むしろ大陸消費経済のタグボートになるくらいの底力をもっているのではないだろうか。

すでに美容院から病院まで台湾企業の支店が大陸に続々開業している。当地では台系がひとつのブランドになりつつあり、これから各業界のリーダーになっていく可能性だってあるだろう。
今回の選挙で台湾の前途は大きく開けたが、日本にとっては、中華経済圏がさらに堅固に強大な姿に化けて立ちはだかることになるわけで、心配しなくちゃならないのは、日本のほうである。

新総統の就任式は五月二十日。
「アメリカ人」となっている馬英九の娘二人は、父親の「台湾省知事」の椅子などにまるで関心がないかのように、無言のまま米国に戻ってしまった。
同じく米国帰りの第一夫人は、月曜日の朝、バスで勤務先の銀行に出勤した。いつもの通りといいたいが、大勢のボディガードとカメラマンをつれての大名行列になったようだ。