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ディリ海岸の風景 © SHIBUYA Atsushi

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東ティモールの光と影
【第3回】
首都ディリは海岸に面する美しい町だ。海岸沿いには椰子やガジュマルの木が並び、その下で漁師がとってきたばかりの魚を屋台に並べて売っている。町の中心部にはバナナ園が広がり、その中に人々は草葺きの家を建て、家庭菜園程度の土地で野菜や果物を栽培して自給自足的な生活を営む。

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ディリのバナナ園で遊ぶ子ども © SHIBUYA Atsushi

そんな南国の素朴な生活風景のすぐ隣にある暴力の爪あとを、否でも応でもこの国に来てすぐに直面することになる。国際空港から市内の目抜き通りへ車を走らせると、屋根が焼け落ちた家屋があちらこちらで目に入る。瓦礫から鉄屑か何かを集めているものがいる。「ここは東ティモールで最大の市場がありました」とドライバーがいう場所は、人影もまばらで廃墟同然だった。どこのアジアの国でも見られる喧騒はここにはなかった。
「生活は独立してから苦しくなった」そんな声を着いた初日から聞いた。21世紀最初の独立国が直面している痛々しい現実に少し触れただけであるが、この国の多難な前途を思わずにはいられなかった。

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東ティモール最大だったコモロ市場 © SHIBUYA Atsushi