早朝、強制労働現場に向かうために労働鍛練隊から出てきた収容者たち。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

早朝、強制労働現場に向かうために労働鍛練隊から出てきた収容者たち。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

 

拡大する市場に大統制始まる 6 リュウ・ギョンウォン
住民の市場活動を抑えつける当局(承前)

■録音取材5
海州市労働鍛錬隊の前にいた住民。二〇〇八年一〇月初旬。聞き手シム・ウィチョン。
国営企業が食糧配給を実施できないため、住民が市場活動をしたところ、無断欠勤をしたとして鍛錬刑を課せられる事例が増えている。
時の流れとともに食糧配給制度は一層形骸化し、その代わり市場がますます活性化し始めるや、国家は「配給労働」制度の維持のために、強制労働組織である労働鍛錬隊を強化していった。
「配給労働経済」と市場活動の対決の場がまさに労働鍛錬隊だと言えるだろう。

記者:海州で鍛錬隊といえば、ここだけですか?
住民:他に有るわけ無いじゃない。ふたつもいらないし。

記者:へえ、ここだけで充分なのですか。なんか、もう人がいっぱいみたいですけど。
住民:(平安南道の)甑山(ジュンサン)教化所(注1)に送られるはずの鍛錬生(収容者)も、ここに入れられてるんだから多いはずよ。(刑期)二年の人たちまでが、ここに入れられてるっていうわよ。

記者:でも、ここの方が、教化所生活よりももっとしんどいって聞いたんですけど。
住民:そのとおりですよ。こっちの方が大変らしいわよ。
教化所生活は、規定通りにご飯も食べさせてくれるらしいし、仕事だって決められたことだけやらせるんだって。でもここはキツイ労働をさせるから「労働鍛錬隊」(という名前)だもんね。
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