南北経済関係が冷え込む中で、開城工業団地は縮小されながらも運営が続けられている。外貨収入が乏しい北朝鮮にとっては貴重な収入源=甘い蜜に違いない。写真は工業団地の縫製工場で働く北朝鮮労働者。(2007年2月 アジアプレス取材班撮影)

南北経済関係が冷え込む中で、開城工業団地は縮小されながらも運営が続けられている。外貨収入が乏しい北朝鮮にとっては貴重な収入源=甘い蜜に違いない。写真は工業団地の縫製工場で働く北朝鮮労働者。(2007年2月 アジアプレス取材班撮影)

 

三代世襲は困難 「後継問題」に直面する北朝鮮政権 7

リュウ・ギョンウォン
ポスト金正日体制が直面する五つの衝撃(承前)
■衝撃4 韓国の誘惑

朝鮮政権は、ずっと至上課題だと唱えてきた「祖国統一」などは脇において、いつの間にか政府が窓口となった「韓国に対する部分開放」だけを先行させているようだ。
それは韓国と付き合うことで覚えた「甘い蜜」の味を忘れられないことが理由だろう。先軍時代の特徴の一つは、腐敗した権力者たち各々が、個人的に蓄財を懸命にやっているということである。

韓国が人道支援や観光事業、開城(ケソン)工業団地などを通じて味わせてくれる「甘い蜜」の味を知った権力者たちは、自分だけが引き続き蜜にありつけるよう、「韓国に対する部分開放」に関わる既得権(例えば韓国に対する窓口、担当を握る)の争奪戦を繰り広げているように思える。

二○○九年一月の時点で、南北関係は閉塞状況にあり、米国とは対話をするが南朝鮮とは対話をしない「通米封南」的な行動を取っている。
しかし、他にこれほどおいしい蜜をくれる隣人はいないわけで、いずれ背けた顔をまた向けるようになるだろう。「韓国に対する部分開放」をして味わった「蜜の味」の誘惑を振り払う力は、朝鮮の権力者たちには無い。
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