◆経済の法則を無視し、既存の国営や協同団体の商店に、独占的に商品を取り扱わせるというやり方を復活させようという兆候が見える。
市場であれ何であれ、経済活動は政治権力が都合よく操られる対象ではない。「党が決心すればわれわれはそれに従い、実行するだけである」というスローガンは、あくまでもスローガンにしか過ぎず、現実はそうではない。

配給制度をまともに守れなかったのは、「決心」が足らないからではないということは、党自身が最も良く知っているはずである。
より平等に経済的な機会を保障するのが、国家と党のやるべきことだ。
2 市場を公正に認識評価し、その発展のための政策を実施することが課題だ

◆そもそも朝鮮の市場は、国家が八〇年代末から計画経済を放棄してしまったために発生した、民衆による生存のための代案であった。
むしろ配給制から放りだされた人民に少しでも食糧を供給した市場の功績について、今からでも公正に評価し、市場経済を制度として整備していくべきだ。
まだそこまでできないのなら少なくとも、未支給のまま放置されている莫大な食糧配給――労働者・人民に対して背負った債務を認め精算しなければならない。

そうして餓死者や放浪者たちに謝罪し補償するならば、国家と党の権威と経済能力は、人民の信頼を取り戻すことができるかもしれない。
しかし、そんなことはできるはずがない。だから、市場の役割を認める以外、他に道はないのである。

◆今後は、市場の便宜を、具体的に保障しなければならない。
商売人たちによる商品の宣伝や広告も、積極的に取り入れるべきだ。
また、市場への交通や貨物運搬、物資の保管などの問題が改善されなければならない。

市場の運営や建物も、市場を利用しない統治者や外国人の目にだけ見栄えのよいものを目指すべきではなく、実際の消費者に便利であることを基本に設計され、利用者が満足できる安全と衛生条件、労働環境が発展させられなければならない。
最後に、国家と社会が大胆に改革開放を始めなければいけない、ということを強調しておきたい。改革開放への動きに圧力を加え、後退させるようなことがあってはならない。

権威主義的な思考から抜け出し、社会の発展と人民のための合理的な思考をすることが、国家の利益にも繋がるはずである。
(この稿、おわり)

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