もう一つは。長く日本社会で差別と貧困に苦しんできた在日朝鮮人の、権利・生活擁護組織という性格だ。
必然、朝鮮学校の運営と教育内容もふたつの目的が生じる。
一つ目は北朝鮮の国民教育及び総連組織の構成員確保と養成であり、二つ目は、朝鮮人が誇りを持って日本で生きるために、言葉や歴史や文化を教えるという目的だ。

現在、いわゆる在日=植民地支配に由来する特別永住者、でない韓国からのニューカマーは約18万人に及び、子どもに民族教育を受けさせたいという希望は切実になっている。だが、韓国系の学校は大阪、京都、名古屋、東京にしかない。

ところが、朝鮮学校は全国にあるにもかかわらず、一部の例外を除いてほとんどニューカマーの子供を受け入れようとしない。生徒数減少で存続が危ぶまれるような地域では、親や地域の在日が運営を自立的にしていこうと、ニューカマー受け入れの動きを度々起こしたが、その度に総連中央は理事や教員の人事権を盾にして行動を潰してきた。

同胞に広く民族教育を施していくことより、組織の秩序を優先させてきたのだ。朝鮮学校の衰退の第一の原因は、閉鎖的な総連自体にあると言わざるを得ない。

前号にも書いたが、在日が今求めているのは、言葉や文化、歴史が学べる民主的、開放的、非政治的な教育の場であり、国際感覚の学べる学校である。この度の授業料無償化問題で高い注目を集めている今、朝鮮学校にとっては存続を賭けて、変化と開放に進む良いチャンスだと思うのだが。(おわり)(石丸次郎)
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