トンネルにつながる橋脚は設置されているものの、線路は敷かれておらず、トンネルの入り口部分の整備も中途半端なままだ。(写真はすべて今月5日、パク・ヨンミンが撮影)

トンネルにつながる橋脚は設置されているものの、線路は敷かれておらず、トンネルの入り口部分の整備も中途半端なままだ。(写真はすべて今月5日、パク・ヨンミンが撮影)

◆中国吉林省 工事費横領の噂も

(中国延吉=パク・ヨンミン/整理リ・ジンス)
中国吉林省延辺朝鮮族自治州に属する和龍市南坪鎮。国境の川、豆満江を隔てて北朝鮮の茂山(ムサン)郡と向かい合う小さな村だ。取り立てて産業がなく、小学校も閉鎖されるなど過疎に悩むこの村にはもう一つの顔がある。

北朝鮮最大の鉄鉱山・茂山鉱山から運ばれる、年間数百万トンにのぼる鉄鉱石の中国側受け入れ口だというのがそれだ。ずっと朝中間の鉄鉱石貿易の中心であったこの地で、3年前から「和坪鉄道」という名の鉄道建設工事が始まった。だが、その進捗はこの一年ほど遅れが目立っている。

「和坪鉄道」総区間約42キロのうち、36%の区間がトンネルだ。ここでも線路はまだ敷かれていない。

「和坪鉄道」総区間約42キロのうち、36%の区間がトンネルだ。ここでも線路はまだ敷かれていない。

 

南坪鎮には大きな選鉱場があり、茂山鉱山から運ばれた鉄鉱石はここで精鉱(鉄鉱粉)に加工される。設備の老朽化やエネルギー難により、北朝鮮側では十分な選鉱作業が行えないためだ。加工された鉄鉱粉は20トンの大型トラックに積まれ、50キロほど離れた和龍市内へと運ばれそこから全国に売却される。

しかし、南坪鎮と和龍市内を毎日往復する百数十台の大型車は、道路を劣化させ粉塵を撒き散らすなど、近隣の住環境に少なくない影響を与えていた。
これを改善し、北朝鮮産の良質な鉄鉱石を大量輸送するために建設されているのが「和坪鉄道」だ。和龍市の「和」と南坪鎮の「坪」を取ったその名の通り、和龍市から南坪鎮までの41.68kmを結ぶ。だが、2009年の9月1日に始まり工期2年とされていた工事は、もうすぐ3年が経とうとする今も続いたままだ。
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