ニコンに対して損害賠償や謝罪広告等を求めて提訴した安氏と弁護団 (2012年12月25日 東京・東京地裁の司法記者クラブで/撮影:綿井健陽)

ニコンに対して損害賠償や謝罪広告等を求めて提訴した安氏と弁護団
(2012年12月25日 東京・東京地裁の司法記者クラブで/撮影:綿井健陽)

 

昨年2012年、一つの写真展示が開催一カ月前に突如、一方的に「中止通告」を受けた。新宿ニコンサロンで予定されていた写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』だ。

韓国人写真家の安世鴻(アン・セホン)氏が撮影したこの写真作品は、ニコンサロンの選考委員会が審議した結果を受けて開催されることになっていたが、ニコン側は「諸般の事情」「総合的に考慮した結果」という理由で突然中止しようとした。

結局、新宿ニコンサロンでは、裁判所による仮処分命令(契約に基づく施設使用)後に、「仮開催」という異様な形で展示された。
しかし、同じく大阪ニコンサロンでも予定されていた同写真展は、本当に開催中止となってしまった。
なぜ、このような事態が起きたのか、背景に何があるのか。
安世鴻氏が中止の真相と謝罪を求めてニコンに起こした損害賠償訴訟が、今年2月18日から東京地裁で始まる。

この写真展中止を巡ってどんな動きや、"沈黙"があったのかを振り返る(全3回)。
綿井健陽 (映像ジャーナリスト/日本ビジュアル・ジャーナリスト協会共同代表)
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