日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長の日本軍「慰安婦」をめぐる発言が波紋を呼んでいる。発言に修正を加えながらも、「慰安婦制度は必要だった」「強制連行はなかった」などの根本は変えていない。被害女性の支援者や戦争体験者も、批判の声を強めている。(新聞うずみ火 栗原佳子)

大阪市役所を囲んで手をつなぎ、抗議の「人間の鎖」を作る(2013年5月17日)

 

■ 「人間の鎖」で抗議
発端となった発言について、まずは記しておきたい。
5月13日、月曜日の朝の定例会見で、橋下氏は日本軍「慰安婦」問題について概ねこのように話した。
「なぜ日本だけが取り上げられなければならないのか。慰安婦制度は世界各国の軍が活用した。銃弾が飛び交う中で命をかけて走って行く時に、精神的に高ぶっている集団に休息させてあげようと思ったら慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」

午後の会見では、午前の発言に関連して
「意に反して慰安婦になったかどうかは別にして、軍の規律維持のために、慰安婦制度は必要だった」と強調。
さらにその論を強調するようにこう話した。

「慰安婦制度じゃなくても風俗業は必要。普天間飛行場に行ったとき、『もっと風俗業を活用してほしい』と海兵隊司令官に提言した。凍りついたような態度でその話題を避ける司令官に『そういうものを真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはコントロールできない』と話した」
これに対し、大阪市の市民団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」共同代表の方清子(パン・チョンジャ)さんは「これが公的な立場にある人の発言なのか。

慰安婦制度が必要だというのは女性の人権を無視した発言で、女性を戦争遂行のための道具としてみている」と批判する。
同団体では「戦時下で女性の性を活用するのは当然といわんばかりの女性蔑視の発想は、かつて戦場に慰安所を生み出した日本軍の男たちと同じもの」などとする抗議声明を市長宛に提出。5月17日には市民に呼びかけ、大阪市役所を抗議の「人間の鎖」で囲んだ。
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