ドイツに20年近く住んでいた元ドイツ和光純薬社長の藤澤一夫さんは「ドイツの脱原発政策と再生可能エネルギー」について最新のデータと写真を用いて解説した。(9月14日大阪市北区にて撮影 新聞うずみ火)

ドイツに20年近く住んでいた元ドイツ和光純薬社長の藤澤一夫さんは「ドイツの脱原発政策と再生可能エネルギー」について最新のデータと写真を用いて解説した。(9月14日大阪市北区にて撮影 新聞うずみ火)

ドイツの脱原発政策と再生可能エネルギーの現状に詳しい元ドイツ和光純薬社長の藤澤一夫さんに聞く。(森山和彦、矢野宏 うずみ火新聞)

◆カギは電力の自由化~競争の原理から電気料金が安く
再生可能エネルギーに頼る脱原発政策は成功するのか。「発送電分離と電力の自由化が必要だ」と語ったあと、藤澤さんはこう分析した。
「発電会社と送電会社がはっきり分けられていること。この点が日本とドイツで決定的に違う。ドイツでは、送電会社には公平さが義務付けられ、『連邦ネットワーク規制庁』という役所で厳しい監視の下に置かれることになった。その結果、電力が自由に売買される市場が形成され、競争の原理が作用して、ドイツの電気料金は安くなったのです」

ドイツの電気料金は、発送電費、消費税、配電免許料、環境税、再生可能エネルギー法賦課金から構成されているが、ほとんどが税金だと、藤澤さんは表を使って説明する。

「賦課金は、電気料金が高くなる原因と言われるが、発送電費との合計は日本の電気料金とほとんど変わらない。むしろ発送電費だけを見れば、日本よりも安い。ドイツのインターネットには電気料金を比較できるサイトがある。ここには、電気料金だけでなく、電力の構成も掲載されている。電気が100%再生可能エネルギーで作られているか、その電気を使うことでどれだけ放射性廃棄物が出るか、などが載っている。食品のラベルのように電気の質も理解することができる」

再生可能エネルギーの中でも、洋上風力発電の潜在性は高いという。いま、バルト海や北海には1基あたり5メガ・ワットの出力を持つ風力発電が次々と建てられている。中国や米国の風力発電への新設投資も盛んで、2012年は日本の約13倍も投資している。
植物などを発酵させて出たガスを利用して発電するバイオマスによる発電量も伸びている。小規模でもできるため、ドイツでは、2011年に全土で7200施設が稼働している。
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