情報開示されたイラク派遣自衛隊の車両搭載対策器材の「96式装輪装甲車取付内容」の文書

情報開示されたイラク派遣自衛隊の車両搭載対策器材の「96式装輪装甲車取付内容」の文書

 

◆テロ対策の特殊装備の据え付けや整備にも企業の技術者を派遣

防衛省が情報公開した一連の文書によると、イラク派遣自衛隊の装備に関する民間企業の技術者派遣の業務には、テロ対策の特殊装備の据え付けや整備も含まれていました。

2005年11月11日~28日と06年3月4日~19日、イラクのサマワに派遣されていた陸上自衛隊の、軽装甲機動車や96式装輪装甲車の車両搭載対策器材の据え付け・調整のため、某企業から各回2名がクウェートに派遣されました。

車両搭載対策器材とは、イラクの武装勢力が使用するIED(即製爆発装置)、無線電波の遠隔操作によるいわゆる路肩爆弾への対策として、妨害電波を発して起爆させないようにするための電子機器です。通称「ボム・ジャマー」と呼ばれ、アメリカの企業から購入したものです。

陸上自衛隊の車両がイラクのサマワでIEDの攻撃を受けたため、その対策として緊急に購入し、配備したのです。

さらに、2005年6月1日~15日、8月13日~9月6日、10月31日~11月11日、06年2月2日~18日、5月11日~26日の計5回、 イラク派遣部隊のコンテナスキャナの定期巡回整備のため、某企業から技術者がクウェートに派遣されました。人数は毎回2名でした。

コンテナスキャナもアメリカ製で、コンテナや車輛などの内部をX線で透視して検査・監視する精密機器です。武器や爆発物などの発見に役立ちます。陸上自衛隊はイラクのサマワ宿営地で使っていました。

武器や爆発物の探知に威力を発揮しており、米軍もイラクやアフガニスタンなどで使っています。

5回にわたるコンテナスキャナ定期巡回整備を実施した日本の企業によると、作業に従事した技術者2名のうち1名はアメリカの製造企業の技術者(外国人)でした。

コンテナスキャナ定期巡回整備の事実を認めたその企業は、企業名を公表しないことを条件に筆者の取材に応じ、クウェートで実施した整備に関して、担当者がかなり細かい点まで答えました。

定期巡回整備をした技術者の1人は、その日本企業の技術者で、日本からクウェート入りし、もう1人はコンテナスキャナを製造したアメリカ企業の外国人技術者で、アメリカや駐在先のヨルダンあるいはタイからクウェート入りしていました。

情報公開の開示文書に含まれていた「監督・検査記録表」によると、作業は連日、午前9時~12時、午後1時~5時の実働7時間でおこなわれています。

実施場所は、キャンプ・バージニアなどクウェートの米軍基地内におかれた、イラク派遣陸上自衛隊の補給拠点です。

その日本企業の担当者は、基地名は挙げませんでしたが、米軍基地内だと明言しました。技術者たちはクウェート市内のホテルから車でそこに通っていたといいます。