那覇空港。仮に「戦争法案」が成立がすれば、日本の民間空港が軍事利用されるおそれが高まる。 撮影吉田敏浩

那覇空港。仮に「戦争法案」が成立がすれば、日本の民間空港が軍事利用されるおそれが高まる。 撮影吉田敏浩

 

◆軍事輸送の協力を求められても応じない
安倍政権が衆議院の特別委員会で「戦争法案」を強行採決しました。決して許せない行為です。このまま法案が成立すれば、日本という国が平和よりも軍事優先の、憲法や人権よりも国家権力を上位に置く戦争体制になってゆくおそれが強まります。

しかし、「戦争法案」と戦争体制づくりの企てに対しては、反対し続けてゆかなければなりません。

本連載で詳しく述べてきたように、防衛省・自衛隊と企業が一体となった秘密主義の壁の向こうで、自衛隊支援の、ひいては米軍支援のための、事実上の民間人動員体制づくりが着々と進められてきました。

そして、「戦争法案」が成立した場合、政府はその動員体制をより強固なものにしようとするでしょう。

そうした動きに、「戦争法案」に反対する労働者・労働組合はどのように対峙するのでしょうか。

パイロットや客室常務員や整備士など航空関係の各労働組合からなる航空労組連絡会の津惠正三事務局長は、同連絡会の方針をこう確言します。

「仮に法案が通り、法制度が発動されて、政府から軍事輸送の協力を求められたとしても、我々は協力しないと表明しています」

「指定公共機関として協力の責務があるのは会社であって、個々人の労働者ではありません。会社には管理職による運航という手もあるでしょうが、それ では足りず、業務命令で我々に従事するよう求めてきた場合、拒否すれば処分されるおそれもありますが、ストライキも含めて拒否することが労働組合の基本的 な方針です」

「と同時に、会社にも軍事輸送の協力に応じないよう働きかける必要があります。航空会社からなる定期航空協会はすでに周辺事態法成立後、『航空法令 に逸脱せず、安全が確保され、関係国から見て武力行使に当たらないものであることを条件に各企業が判断する』と表明していたわけですから」

このような軍事輸送の協力に対する拒否、すなわち戦争協力拒否の方針は、周辺事態法や武力攻撃事態法など有事法制に反対する労働組合の運動のなかで確立されてきたものです。

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