原発の運転に関して、原則40年とするルールが見直される動きが出ている。自民党の原発推進派議員による電力安定供給推進議員連盟という団体が、40年と される原発運転期間を再検討すること等を求める提言案をまとめた。その理由は、40年という期間の科学的根拠が不透明、不明確だからだという。この問題に ついて元京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。(ラジオフォーラム

京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さん

京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さん

◆科学的根拠はもともとない
ラジオフォーラム(以下R):この原発運転40年ルールの見直しを小出さんはどう受け止めていますか。

小出:もともと原子力発電所の原子炉が何年間使えるものなのか、実は科学的にはわからないことだったのです。原 子力発電所を動かしていくと、原子炉圧力容器という原子炉の中心部分が、中性子という放射線に被曝し続けますので、どんどん脆くなっていってしまうので す。私たちはそれを照射脆化と呼んでいます。

R:なぜ、脆くなるのですか。

小出:身の周りにある物で、例えば原子力発電所の原子炉もそうですけれども、金属というのは、叩いたらへこんだ り、ギュッと力を加えれば曲がったりしますが、ガラスのようにバリンとは割れません。そういう性質を私たちは「延性」、つまり延びる性質と呼んでいます。 一方、ガラスのような物は「脆性」、脆い性質というふうに呼んでいるのですが、どんな物でも温度を低くしていくと、もともと延性だった物も脆性に変わって しまうという性質を持っています。

原子力発電所の原子炉も含めて、鋼鉄というのは通常の温度であれば、延性という状態なわけですけれども、原子炉が運転されて中性子に被曝されていく と、延性から脆性に変わる温度がどんどん上昇していくという性質を持っています。そのため、もともとは常温で延性であった原子炉圧力容器が常温で脆性に なってしまう、ガラスのような状態になってしまうということがわかっていたわけです。

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