R:全く役に立たない機械ですね。

 小出:そうです。それでもこの日本では「いや、いつかはもんじゅが動く、もんじゅが動く」と言って、誰も責任を取らないまま来てしまったわけです。今でもまだ日本では、もんじゅは動かすと言っているわけですけれども、実に金食い虫だし、意味のないようなことをやろうとしていると私は思います。

そして、もうひとつが再処理というものですが、日本はもともと先の戦争で負けましたので、原爆を造るような技術はもう持たせないということで、米国から占領中に規制を受けまして、再処理という力も全くなかったのです。そのためイギリスとフランスに頼んで、使用済み燃料の中からプルトニウムを取り出してもらうということをこれまでやってきたのです。

しかしもし、日本という国が独自で原爆を造りたいと思うのであれば、イギリス・フランスなどに頼らずに自分でやはりプルトニウムを分離して取り出したいと、どうしても思うわけです。そのため日本では、青森県六ケ所村に巨大な再処理工場を造りました。どうしても諦めずにそれを造りたいと、これまでやってきたわけです。

しかし当初は7600億円程度でできると思っていた再処理工場、本当であれば、1997年には稼働を始めるはずだったものが、2016年になっても未だに稼働もしていませんし、すでに2兆2000億円あるいは3000億円、それを超えるお金を使ってしまっているという状態です。

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