世界のGDPの約4割という巨大市場を生むTPP=環太平洋連携協定=をめぐる国会審議が4月から始まる。TPPは日本や私たちの暮らしにどんな影響を与えるのか。3月12日のうずみ火講座でNPO法人「AMネット」事務局長の武田かおりさんを講師に招き、「待つのは悪夢か、バラ色の未来か」と題して解説してもらった。(栗原佳子/新聞うずみ火)

TPPによって、投資家が国を訴える仕組みが整うと警鐘を鳴らす、NPO法人「AMネット」事務局長の武田かおりさん(撮影 樋口元義さん)

TPPによって、投資家が国を訴える仕組みが整うと警鐘を鳴らす、NPO法人「AMネット」事務局長の武田かおりさん
(撮影 樋口元義さん)

◆投資家による理不尽な訴訟相次ぐ《ISD条項》

TPPで一番懸念しているのは「ISD条項」だ。「Investor(投資家)」「State(国家)」「Dispute(紛争)」の頭文字の略称で、外国企業や投資家が国家を訴え、裁判ができるという制度。例えば外国企業や投資家が、日本政府が環境規制を強化するなどの何らかの法改正をした場合、そのために想定した利益を得ることができなかったと訴えることも可能だろう。

3人の仲裁人が裁判官の役割をするが、多国籍企業の顧問弁護士のような人がほとんど。非常に専門的な裁判なので日本人でこれを出来る人はいないと思う。世界に数十人しかおらず、それも米国に集中している。原発ムラならぬISDムラ。勝てば勝つほど儲かるという商売。そんな中で仲裁された内容が公平か、非常に疑問だ。

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