◆期限延長の背後にどのような思惑が?

R:美浜原発の場合は、1、2号機は廃炉が決定しています。3号機だけ敢えて再稼働させるというのは、なぜ必要なのでしょうか。

小出:本当のところはどうなのか私にはわかりませんが、とにかく形があるし、造った時に何千億円かかけているわけですから、形のあるものは、動かした方が金儲けになるという判断を恐らくしたのだろうと思います。それからもうひとつは、いわゆる立地自治体である美浜町が、原子力発電所がなくなってしまうと、交付金などが得られなくなるので「なんとか動かしてくれ」という政治的な思惑があったかもしれないと思います。

R:なるほど。例えばですよ、今度4号機を造るということになった場合に、関西電力の側から3号機を再稼働させるという恩を売っておけば、 また4号機を造ることができるのではないかというような思惑も少し私は見え隠れするような気がするのですけど、どうでしょう。

小出:はい、あるかもしれませんね。敦賀の場合も1号機はもう廃炉になりましたし、2号機も恐らく廃炉になると思います。そうなると今度は3、4号機を造るというような話があるわけですし、美浜の場合にも1、2号機はもうダメだけど、3号機を動かすことで4号機の踏み台に使うということはあり得るだろうと思います。

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