市内バスに乗ろうと殺到する人々。(2012年11月恵山市 リ・フン撮影)】

市内バスに乗ろうと殺到する人々。(2012年11月恵山市 リ・フン撮影)

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国営バスの停留所には常に黒山の人だかりができており、バスが停まると、とうてい乗り切れないほど大勢の人が殺到する。理由は運賃が安いためでもあるが、運行時間がまったく守られておらず、一本逃すと次のバスがいつくるか分からないから、といった事情もある。

撮影した取材協力者によれば、「国が運営するバスは、運賃は安いが本数が極端に少ない。車内では人の上に人が何重にも折り重なっていて、窒息死する人が出ることもある」という。

港湾都市の咸鏡北道清津(チョンジン)に住む取材協力者は、市内の公共交通手段の現状について次のように語った。

「清津市内の主な公共交通手段はトロリーバスで、運賃の国定価格は五ウォンです。安さにひかれて大勢の人が殺到するので、なかなか乗ることができません。本来は降口である前方ドアからならば楽に乗れるのですが、そのためには運転手への賄賂として1000ウォンが必要になります」

ひとつのバスで、ドアごとに違うふたつの運賃が存在するというのは、世界でも北朝鮮だけで見られる現象だろう。

国内で、市内交通が最も発達しているはずの平壌でも、事情は同様である。停留所には常に人があふれ、一部の人々はバスが来るやいなや、運転手にタバコ数本、あるいは数百ウォンを渡して、前方ドアから乗せてもらえるよう交渉する。交渉が成立すれば、バスの前方ドアから楽に乗ることができるが、それにもコツがある。

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