沖縄県東村高江の民間地に米軍大型輸送ヘリCH53Eが不時着・炎上した。米兵らしき人影が残骸の周りを行ったり来たりしていた(10月撮影・栗原佳子/新聞うずみ火)

◆民間地に米軍大型輸送ヘリ墜落

沖縄県東村高江の民間地に米軍大型輸送ヘリCH53Eが不時着・炎上したのは10月11日。衆院選が公示された翌日のことだった。いつか墜落するかもしれないという住民の不安は現実のものに。事故から3日、高江に向かった。(栗原佳子/新聞うずみ火)

民家の屋根によじ登ると、視界がぱっと開けた。太平洋に突き出すように広がる萌黄色の牧草地に横たわる灰色と黒の物体。米軍ヘリの残骸が無残な姿をさらしている。

米兵らしき人影が残骸の周りを行ったり来たりしているのが肉眼でもわかる。屋根の上では地元新聞社やテレビ局のカメラマンら十数人が待機していた。民家の住人は牧草地の持ち主、西銘晃さん(64)一家。「この事実を多くの人に知ってほしい」と、報道陣に屋根を開放、ハシゴで上れるようにしてくれていた。

那覇から高速道路を経由して約2時間半。沖縄北部「やんばる」にある東村高江は、豊かな自然に囲まれた人口約150人の集落だ。一方で、米海兵隊北部訓練場(ジャングル訓練センター)と隣接。昨年、住民らの反対を押し切るかたちで、高江の集落を取り囲むように新たなヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)の建設が強行された。西銘さんの家は幹線道路の県道70号に面しているが、道路の反対側は北部訓練場になっている。
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