(参考写真)自転車の荷台に豚を乗せて運ぶ住民。2010年6月に平安南道で撮影キム・ドンチョル(アジアプレス)

「アフリカ豚コレラ」の感染が北朝鮮でも確認された模様だ。朝鮮労働党の指示で、5月15日に各機関、企業所ごとに豚肉の販売流通、食用を禁ずる通達がなされたという。北部の咸鏡北道(ハムギョンプクド)に住む取材協力者が23日、伝えてきた。

この協力者によると、現在、家畜防疫所が死んだ豚について申告させ、流通しないよう広報、保安署(警察署)と共同で豚肉の販売を取り締まっている。もし市場で隠れて豚肉を販売している場合、無償没収しているという。

住民の間では「アフリカ豚コレラ」について知識と情報が不足しており、感染すると致死率がほぼ100%だというのに、「肉の値段が下がる」と期待する声もあるという。また、販売取り締まりにもかかわらず、ほとんどの肉商売人たちは、家でこっそり販売を続けているという。

「取り締まりで回収された豚肉が、建設現場に動員された人々に供給されており、防疫のためではなく、当局が肉が必要なので没収しているのだと、商売人たちは不満を口にしている」取材協力者はこのように述べた。

「アフリカ豚コレラ」ウイルスは、冷凍肉やハム、燻製品でも活性を保ち、生きている豚への感染源になる。感染すると致死率はほぼ100%といわれるが、人間には感染しない。日本の農林水産省によれば、昨年、中国で「アフリカ豚コレラ」の感染が確認された他、今年に入ってモンゴル、ベトナム、カンボジアなどでも感染が見つかっている。(カン・ジウォン/石丸次郎)

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

(参考写真)豚肉を切り分ける商売人の女性たち。2012年11月北朝鮮北部の国境都市の市場で。撮影アジアプレス