◆4か月後の測定で「問題なし」

市としては、住民が要求してきたアスベストの再調査を実施したのだから、残された未調査箇所を調べたうえで、調査者協会の監視・監理による除去工事に早く再着手したいということなのだろう。だが、今回の説明会では住民の認識とのずれが目立った。

住民にとっては、この間のずさんな対応により、市や業者に対する信頼は失われたままだ。いま市に求められているのはこの間の経緯やアスベスト調査結果の十分な説明をはじめとする過去の清算である。それがなければ、次の工事に対して住民の納得が得られるわけがない。

説明会ではこの間の工事で「アスベストが飛散したのではないか。将来大丈夫なんでしょうか」と健康被害を心配する声も上がった。すでに年間1500人以上がアスベスト曝露によって発症する特殊ながん、中皮腫で亡くなっている。旧庁舎のアスベストをめぐるこの間の問題からそう心配するのも当然のことだろう。

市は4月末に実施した現場の敷地境界における空気中のアスベスト濃度測定の結果、「問題なし」と回答。住民から「(不適正作業から)4か月後ですよね。なぜすぐ測定しないのか」と一喝され、謝罪した。

事実、これまでの作業で実際にアスベスト飛散があったのかどうかはきちんとした検証がされていない。市や業者はこうした声に真摯に向き合う必要がある。