旧庁舎解体のアスベスト対策をめぐり次々不適正な状況が明らかになっている大阪府守口市で新たな問題が発覚した。アスベストを含有する成形板など、いわゆる「レベル3」建材の除去で府条例に違反し、全面的にバールで破砕するずさん工事だったことが判明したのだ。(井部正之/アジアプレス)

調査者協会の報告書に掲載された、廃棄物コンテナから見つかった細かく割れた建材を示す写真。割らずに原形のまま除去することになっていた

◆2か月の計画が「3日で撤去」

守口市の旧庁舎には4つの建物で計約6300平方メートルのスレートなどアスベストを含有する成形板が使用されていた(アスベスト含有とみなしたものも含む)。解体工事を請け負ったダイナ建設(大阪市)は2018年12月以降に約2か月かけてビスや釘などを外してレベル3建材を割らずに原形のまま手作業で取り外す計画を府に届け出ていた。同12月、今年1月の住民説明会でも「ビスを外して原型のまま除去する」としていた。

ところが1月下旬、実際には2018年12月にわずか2日間で「ほとんど撤去した」と市に説明していたことが判明した。

2月20日、ヤフーニュースやアジアプレス・ネットワーク掲載の拙稿「大阪・守口市旧庁舎のアスベスト建材こっそり撤去 府条例や契約違反の可能性も」でアスベスト除去業者の話として、これだけの規模の作業だと「熟練したアスベスト除去の職人でも1日60~70人くらい必要」と紹介。実際にはバールなどで破砕した不適正作業だった可能性があると指摘した。その後同社は市や府に対して、「12月6日から8日までに作業員100人以上を入れて適正に除去した」と説明するようになった。

7月の説明会でも本当に適正な除去作業がされたのか疑問の声が住民から上がり、当時の作業状況を確認するよう求めていた。市は調査すると約束。

その調査結果が公表されたのが、市が9月19日に開催した説明会だ。

市が旧庁舎内におけるアスベストの再調査を依頼した「建築物石綿含有建材調査者協会(貴田晶子代表理事)」に現場に残された「石綿保管場所」と記載されたコンテナ内の廃棄物を調べてもらったところ、ビニル床タイルや石こうボードが当初の説明と違い、「細かく割れて袋詰めされていた」という。石こうボードは分析せずにアスベスト含有扱いで処理する計画だったことから不適正作業は間違いない。