調査者協会の報告書に掲載された本館3階で天井の石こうボードを割りつつ撤去しているようすがうかがえる写真

◆全体的に「バールで破砕」

さらに調査者協会の担当者がレベル3建材を除去した施工場所を調べた結果、アスベストを含有する天井板や壁板を破砕撤去した痕跡が見つかったとして、写真を示しながら次々と不適正作業と判断した根拠を説明した。

「本館3階に撤去途中のまま残された天井板があり、割りながら撤去が行われていた様子が確認された」

「各棟で広範囲に天井板(石こうボード、スレート板など)を留めていた軽鉄下地(成形板などを固定する下地の骨組み)および木下地が確認された。下地にはビスおよび釘が残存しており、ビス周りに天井板の破片の残存が確認された」

「1号別館塔屋エレベーター機械室、3号別館2階および3階の広範囲において、壁板(けい酸カルシウム板)を留めていた軽鉄下地が確認された。下地にはビスが残存しており、ビス周りに壁板の破片が残存」

いずれも不適正作業を裏付けるもので、当初計画通りに釘やビスを外して建材を割らずに撤去していたら残っているはずのないビスが「各棟で広範囲に」残されていたうえ、実際にビスの周りに建材の破片が見つかっていることから、「全体的に天井板、壁板を慎重に原形のまま撤去したのではなくて、バールで割って解体されたとみられます」と結論づけた。

説明会では触れられなかったものの、市財産活用課は実際に施工した下請け3社に電話で聞き取りし、「3社ともバール解体と認めた」と明かす。

当初の説明など嘘っぱちで、実際にはアスベストを飛散させる不適正作業だったことが明らかになった。上記の拙稿で指摘した通りだったわけだ。

ダイナ建設も「レベル3の天井材などの除去でビスを外して割らずに取り外すはずが、バールなどで割ってしまうという解体をしてました」と認め、謝罪した。

大気汚染防止法(大防法)ではレベル3建材は法の対象外で、労働安全衛生法(安衛法)石綿障害予防規則(石綿則)では防じんマスクを着用し、湿潤化すれば、破砕してもよい。よって、国レベルの「法」ではレベル3建材のバール解体でいくらアスベストを飛散させて周辺の人びとに吸わせようが、法違反を問われることはない。

ただし大阪府は「生活環境の保全等に関する条例」でレベル3建材の「原則手ばらし(原則として、手作業により原形のまま除去すること)」を作業基準に規定。また、「除去後の石綿含有建築材料を破砕しないこと」も定める。よって、上記の作業はいずれも府条例違反の可能性が高い。

 

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