軍用車両が並ぶ米軍基地キャンプハンセン(2012年撮影・吉田敏浩)

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◆憲法体系と矛盾する安保法体系    

横田空域での航空管制もそうだが、日米合同委員会の密室での合意が、米軍の占領時代の既成事実の延長としての特権の承認、事実上の治外法権の確保につながるという構図がみられる。

「安保条約――地位協定(旧行政協定)――安保特例法・特別法」の法的構造を「安保法体系」

「憲法――法律――命令(政令など)」の法的構造を「憲法体系」

と位置づける憲法学の理論がある。
「2つの法体系」論といい、憲法学者の長谷川正安が提唱した。

その著書『憲法現代史』(日本評論社 1981年)などによると、「安保法体系」は米軍の事実上の治外法権を保障し、出入国管理権、関税自主権、刑事裁判管轄権など国家主権に制限を加えるとともに、憲法が保障する「法の下の平等」を侵害している。

そして、平和主義と国民主権にもとづく「憲法体系」と矛盾・対立している。

「安保法体系」によって米軍は、「憲法体系」に制約されない基地使用や訓練や戦闘作戦への出動など軍事活動の自由という特権を保障されている。

つまり、「憲法体系」にもとづく法治国家構造のなかに、米軍に関する「事実上の治外法権ゾーン」が形成されてしまっているのだ。

それは「安保法体系」によって「憲法体系」が侵食され、空洞化されていることを意味する。

前述したように、「安保法体系」を築くにあたって、日米合同委員会は密室での「安保特例法・特別法」案づくりに関与することで大きな役割を果たした。
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