このように徹底した秘密体制をとり、外部の目が届かない密室協議システムが、米軍に有利な合意を生み出している。

そこで、日米合同委員会の正体に迫るには、法務省、警察庁、外務省、最高裁判所などの秘密資料・部外秘資料、在日米軍の内部文書、アメリカ政府の解禁秘密文書(アメリカ国立公文書館で秘密指定解除された日米合同委員会の合意文書など)などの調査を通じて探るしかない。日本側の資料としては、たとえば次のようなものがある。

『秘 合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料』(法務省刑事局、1972年)
米軍人・軍属・それらの家族の犯罪に関する検察官用の秘密資料。

『部外秘 地位協定と刑事特別法』(警察庁刑事局、1968年)
同じく警察官用の秘密資料。

『無期限秘 日米地位協定の考え方・増補版』(外務省、1983年)
外務官僚用の地位協定の解釈と運用の秘密解説書。

『部外秘 日米行政協定に伴う民事及び刑事特別法関係資料(最高裁判所事務総局、1952年)
米軍関係の裁判を担当する裁判官用の秘密資料。

私は調査を重ね、日米合同委員会の正体は米軍の特権を認める秘密の合意を生みだす“密約機関”であることを突きとめた。

それらの密約は、日本の主権を侵害し、「憲法体系」(憲法を頂点とする国内法令の体系)を無視して、米軍に事実上の治外法権を認めるものだ。 続きの第4回を読む >>

[日本は主権国家といえるのか?]連載一覧>>

*関連図書 『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年 『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年 『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年